日本で最も不登校に先進的と感じられる横浜市、当事者の親から見ると?

 親の会や「登校拒否・不登校問題 全国連絡会」等に参加してみて、横浜市は不登校や多様な教育に最も先進的な地域だと感じました。

 次の2つはいずれもその横浜市の教育委員会による手引書です。
 ・不登校児童生徒支援の手引:H30年改定(PDFファイル)
 ・不登校を一緒に考える「保護者向けパンフレット」:H22年発行,H30年改定(PDFファイル)
 
 ところがこの2つとも、不登校を問題としてとらえて学校復帰の流れで説明があり、専門家や当事者の意見が紹介される構成になっています。H30年に改定されているのですが、当事者の親の目から見ると問題のとらえ方の基本は「教育機会確保法※1」成立前の「学校へ復帰すべき」の考え方のように感じられます。

 問題の本質は家庭や学校に代表される社会に「多様な子供に適した学びの仕組みが足りない※2」ことから、本来は例えばホームスクールが適している子供に、「学校が良い」「登校は当たり前」と、押し付けている自覚もなく押し付け、苦しめていることです。親や先生も無自覚に押し付ける側であると同時に押し付けられる当事者であると思います。

 この手引書の中で補足的に紹介されるたくさんの専門家や当事者の意見の中には、様々な苦悩と当事者ならではの答えがあります。例えば東京聖栄大学、岡田教授の言葉の、
 ・「不登校できる能力」を信じましょう
 ・人は「今の私はこれでいい」と納得して生きていきたいのです
や、不登校だった体験談には、
 ・「不登校も、自分の個性」
 ・「不登校になったことは後悔していません。かえって得した。自分で熱中できるものがみつかりました。」
などの苦悩の末にたどり着いた答えが記されています。これらは手引書にある不登校は問題~学校復帰の流れと異なります。学校関係者だからこそ「学校は良いところ」という思い込みに気づきにくいのではと思います。

 もちろん学校関係者も問題の本質に気づいてきていると思います。多忙な日々の中でも熱心に努力している先生たちを私は尊敬しています。

 私達にできることはこのような場で問題の本質を知り、自分で確かめて意識を変えていくことと、子供や親や学校関係者に気づいてもらうことだと思っています。(H.S)

※1:教育機会確保法:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380952.htm
※2:2021年4月11日のつぶやき「多様性を受容できていない私たち社会の問題」の抜粋
 日本の学校は、
  ・3割の子供をとてもつらい状況に追い込む(中高生の1割は自傷行為を経験)
  ・私達大人の都合で揃って同じことをさせているが、海外には多様な公教育もある
 例えば岐阜に2021年に開校した公立不登校特例校のような多様な子供に合った選択肢のある学校や、ホームスクール等が普通の選択肢として用意できていたら、息子を苦しめずに済んだと思います。