本の紹介

『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』
 不登校新聞編集長
 石井志昂著(ポプラ新書)

この本の内容は、不登校や学校に行きたがらない子どもについてのノウハウ本ということになっています。それは、著者が考え出したものではなく、自身の不登校経験と20年に渡る不登校新聞での取材を経て導き出された答えをまとめたものと説明されています。

内容は大小のテーマごとに分かれていて、小さなテーマでは、「スマホやゲームを取り上げても解決しない」「無理に理由を聞こうとしない」「不登校は一番苦しい時期を脱したサイン」などがあり、解説が書かれています。そこには、自身の不登校経験と多くのケースに出会ってきた著者ならではの発見が、親を励ます立場ではっきり書かれています。

ノウハウ本という説明にどんな内容なのかと思いましたが、基本姿勢は、ただ学校に行けるようにすることを目的とするのではなく(もちろん子ども自らが学校に行くことを選ぶこともあります)、子どもがのびのびと育ち、社会に出ていくことを応援する立場から書かれていると感じました。

個人的にとても印象に残ったのは、教育学者の汐見稔幸(しおみとしゆき)氏との対談部分で、自己肯定感や社会性について言及した部分です。不登校やホームスクーリングでは社会性が育たないと言われることがありますが、そのことについての汐見氏の見解にはとても説得力がありました。

お子さんが不登校になって間もない保護者の方にはもちろん、わかっていても不安になってしまうという保護者の方や不登校を理解したい方にとってもおすすめできる本です。(世話人)